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卵焼きがおいしい店(単話)

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拙者

この作品、一見するとただの“OLと後輩男子のちょっとイイ話”っぽいが、読み進めていくと妙に心が温まる仕掛けが効いている。激務に疲れた先輩・冬木が、無愛想だけど実直な後輩・岩見にほぐされていく過程が、まるで低温調理された卵焼きみたいにじんわり染みる。

序盤はどこかぎこちない二人の距離感が、職場の会話や飲みの帰り道で少しずつ近づいていく。ここの描写が抜群にうまい。セリフが短くても、視線の動きや呼吸の間で「想ってるけど言えない」もどかしさが伝わってくる。黒川おとぎ氏の筆力、地味にエグい。

そして本作のタイトルにもなってる「卵焼きがおいしい店」、これがただの舞台装置かと思いきや、ふたりの関係が一気に進展するきっかけになる。甘味と出汁の効いた卵焼きのように、濃すぎず薄すぎず、絶妙な加減で心に残る夜へと展開していく。

お色気要素も忘れてない。むしろそれこそが物語にリアリティと温度を与えている。質量感ある描写もさることながら、エロスよりも「触れたくなる心」の方が強く印象に残るのは流石としか言えん。

メスガキちゃん

ふ〜ん、結局おじさん、しっとり系に弱いんだ〜?

卵焼きの出汁よりおじさんの涙の方が濃そうなんだけど?チョロすぎ〜☆
拙者

誰がチョロいんじゃ……ま、否定できんけどな。

あえて一言で言うなら、「疲れた心に、じんわり効く恋と卵焼きの物語」

黒川作品にしては珍しく(?)やさしさ多め、けどしっかり濃度もある。

一夜の出会いにロマンを感じる読者には、確実に刺さる一冊だ。

商品名: 卵焼きがおいしい店(単話)

収録時間/ページ数: 36

レビュー平均点: 5.00

カテゴリ: コミック (電子書籍)
詳細はこちら

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【総評】
実用性:★★★☆☆(共感性重視の物語展開)
コスパ:★★★★☆(短編ながら満足感あり)
デザイン:★★★☆☆(表紙がもう少し魅せられたら◎)
使用感:★★★★☆(読むタイミング次第で刺さり方が変わる)
雰囲気:★★★★★(静かな余韻が心地よい)


拙者

読後に卵焼きが食べたくなったら、それは良作の証拠だな。

メスガキちゃん

え〜?卵焼きで満足してる場合〜?
もっとおいしい夜、探しに行こーよ、おじさ〜ん♡

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